スキャナーの性能と種類

レンタル価格に大きく影響するのは、やはりスキャナー自体の性能です。

例えば、文化財や微細部品など、極めて高い精度が求められる計測には、高解像度でノイズの少ないデータを取得できる産業用スキャナーが必要です。こうした専門性の高い機器は、本体価格が高いため、当然レンタル価格も高額になります。

レンタル会社の料金設定と在庫状況

レンタルを提供している会社ごとの料金設定や、保有している機種のラインナップ、さらにはその時の在庫状況によっても価格は変動します。

複数のレンタル会社を比較検討した際、同じような性能の機種でも価格に差があったり、特定の機種がお得にレンタルできるキャンペーンが実施されたりするでしょう。

需要が高い時期や、特定の機種の在庫が少ない時期には、価格がやや高めに設定される可能性も考えられます。複数の会社から見積もりを取り、サービス内容と価格を比較検討する手間を惜しまないことが、コスト削減につながります。

3Dスキャナー測定器の価格相場

3Dスキャナー測定器の価格は、数百万円から数千万円、さらには1億円を超えるものまで幅広く存在します。この価格差は、主に「測定精度」「測定範囲」「測定速度」「携帯性」「ソフトウェア機能」といった要素によって生まれます。

大まかな目安としては、以下の3つの価格帯に分けられます。

エントリーモデル（数万円～1,000万円未満）

教育機関やホビー用途、あるいは簡易的な測定・モデリングを目的とする場合に適しています。比較的コンパクトで扱いやすいモデルが多い傾向です。ただし、高精度な測定や複雑な形状の測定には限界がある場合があります。

ミドルレンジモデル（1,000万円～3,000万円程度）

多くの製造業や設計現場で活用されるクラスです。ある程度の精度と速度が求められる用途に適しています。多様な測定方式のモデルがあり、対象物のサイズや材質に合わせて選択肢が広がります。

ハイエンドモデル（3,000万円～1億円以上）

自動車、航空宇宙、精密機器などの分野で、最高レベルの精度と信頼性が求められる場合に用いられます。非常に高価ですが、複雑な形状や微細なディテールを高精度かつ高速にスキャンできる能力を持ちます。

これらの価格はあくまで目安に過ぎません。参考程度にお考えください。

3Dスキャナー測定器の選び方

3Dスキャナー測定器を選ぶ際は、以下のポイントを意識しましょう。

使用目的と対象物

何のために使いますか？

• 品質検査（寸法測定、形状比較）
• リバースエンジニアリング（既存製品の設計データ化）
• デザイン・モデリング（文化財、人体、アート作品など）
• AR/VRコンテンツ制作
• 建築・土木分野での現況記録
• 教育・研究

何をスキャンしますか？

• サイズ（小物、中型部品、大型構造物）
• 材質（光沢面、透明体、黒い物体など）
• 形状（単純な形状、複雑な自由曲面、微細なディテール）

使用目的と対象物の特性によって、必要な「測定精度」「測定範囲」「スキャン方式」が変わってきます。

携帯性と操作性

携帯性

持ち運んで様々な場所で使いたいのか、特定の場所に据え置いて使うのかによって、望ましいモデルが異なります。

操作性

直感的な操作が可能なモデルや、日本語対応のソフトウェアがあるかどうかも重要なポイントです。

付属ソフトウェアとの互換性

スキャン後のデータ処理や編集には専用のソフトウェアが必要です。取得した点群データをメッシュデータに変換したり、CADデータと比較したりするための機能が備わっています。また、既存の設計ソフトウェアや解析ソフトウェアとの互換性も確認しておきましょう。

小型3Dスキャナーの価格帯

小型3Dスキャナーの価格は、搭載されている技術や性能によって大きく異なります。大まかな目安としては、以下の3つの価格帯に分けられます。

エントリーモデル（10万円以下）

スマートフォンと組み合わせて使用するタイプや、DIY向けの製品が多く見られます。手軽に3Dスキャンを体験してみたい方におすすめです。

ミドルレンジモデル（10万円～50万円）

プロフェッショナル用途にも耐えうる基本的な性能を備えたモデルが多くなります。趣味での活用はもちろん、簡易的な検査やリバースエンジニアリングなど、ビジネスでの活用も視野に入ってきます。

ハイエンドモデル（50万円以上）

高精度かつ高解像度なスキャンが可能なモデルです。産業分野での精密な測定や、医療、研究開発など、高度な用途に適しています。専門的な知識や技術が求められる場合もありますが、その分、得られるデータの質は非常に高いです。

これらの価格帯はあくまで目安であり、同じ価格帯でも製品によって特徴や得意なスキャン対象は異なります。

小型3Dスキャナーの選定ポイント

小型3Dスキャナーを選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

スキャン精度と解像度

何をスキャンしたいのか、どの程度の精度が必要なのかを明確にしましょう。趣味として行う場合は、数ミリの誤差が許容されるかもしれませんが、部品の検査などビジネス用途であれば、より高い精度が求められます。

操作性とソフトウェア

スキャナー本体の操作性はもちろん、スキャンデータを処理するためのソフトウェアの使いやすさも重要です。直感的に操作できるか、必要な機能がそろっているかなどを確認しましょう。

携帯性と電源

屋外や現場で使うことが多い場合は、軽量で持ち運びやすいモデルが良いでしょう。電源供給の方法も、利用シーンに合わせて考慮が必要です。